Brace Yourself Games『クリプト・オブ・ネクロダンサー』

Konga Conga Kappa

Konga Conga Kappa

概観

 ローグライク×リズムアクションというありそうでなかった画期的なゲーム。

 ローグライクとしては空腹度も各種ステータスもなく、やられるかやるかの単純なゲームなのだが、リズムに合わせて十字キーを押さなければ動けないという要素が異様にゲームを難しくしている。

 全ての敵NPCには行動アルゴリズムが設定されており、各リズムに合わせて動くことができれば、1ダメすら喰らわずに完封することができる一方で、一回でもリズムを外せば苦しい状況に落とされるというか大体はそのまま死ぬ。

 しかも階が深くなればなるほどリズムはアップテンポになり、敵は強くなっていく。単純で奥深くやりこみ甲斐のあるゲームだ。

 

クロダンサーと愉快なモンスターたち

 操作キャラのケイデンスや、表題にもなっているネクロダンサーが示す通り、登場する重要キャラクターたちはみな音楽をもじった名前になっている。

 アンデッドが潜む暗い洞窟でありながら、ノリノリのパリピモンスターが大量に湧くシュールさもこのゲームの魅力の一つだ。やっている間は疑問を感じなかったが、コンボを決めるとダンジョンがディスコ(死語)のようにになるのはどう考えてもおかしい。

 その反面、メインストーリーは死ぬほど暗い。文字通り最初の操作キャラであるケイデンスが心臓をネクロダンサーに奪われるところから始まる。そのせいで奪われた心臓の鼓動に合わせてしか動けなくなったケイデンスはネクロダンサーを追うのだが、その過程で自身の血族に深く関わる呪われたアイテム「ゴールデンリュート」の存在を知り……とまあゴシックホラーを彷彿とさせるバックストーリーが展開される。しかし、最奥に到達していると待っているのはネクロダンサーであり、なぜかお立ち台(死語)の上にお立ち台(死語)ギャル(ゾンビ)のバックダンサーとともに乗っているのである!

 総じてコンセプトの秀逸さ、ゲーム部分の楽しさ、キャラクターの可笑しさいずれにおいても秀逸な作品だ。プレイキャラクターもケイデンスだけでなく、様々な「縛り」があるキャラクターで遊べると、なかなか飽きることなく遊べる。

 そして何より音楽が良い。このコンセプトのゲームで音楽が微妙だったらその時点でおしまいなのだが、その点このゲームは勝っている。何しろアップテンポな曲調が多く、高速で敵の攻撃を躱しながら処理していくというゲーム性にあっている。個人的には特にボスの一人、King Konga のBGM、KingKongaKappaがお気に入りだ。(何とこの曲だけ8拍子目のノーツが抜けており、休符があるため、焦ると外す確率が非常に高い)

 難易度の高さと、うまく動けた時の気持ちよさという作品の魅力を存分に生かす音楽だと言える。

 

チラシの裏

 読まなくて良いが、このゲームマゾすぎる。始めたのが一年前だが未だに最後のストーリーキャラクター、「アリア」がクリアできていない。ビートミスで即死、体力1(一回だけ蘇生あり)、最弱の武器である普通のダガーしか使えないとストーリー付きとは思えないマゾさである。ダンジョンに潜るのは若い者に任せとけと言いたくなる。

 そもそもラスボス前のダンジョンから言って異様に難しい。3階+最終階しかないのにも関わらずである。ただでさえ高速でダメージを喰らわないように移動を考えなければいけない中でこちらをテレポートさせるウォーロック、攻撃に耐性があり変則的な突撃を仕掛けてくるブレードマスター、混乱とかいう最悪なデバフをまくリッチが脳みそを破壊しに来る。さらにライフが1しかないアリアは、最弱っぽい最強のモンスター、バットにぶち殺されまくるハメになる。(このゲームは大体のキャラクターはどう動くか決まっており、正しい動き方をすれば接敵していても攻撃を躱せるのだが、バットだけ動きがランダムである)。

 またこれは携帯機でやっているせいでおま環なのだが、敵が増える3階以降、異常に処理落ちする。どうもトーチで照らされる範囲の敵について移動処理を毎ターン行っているらしく、トーチ+2以上を持つとめちゃくちゃ処理落ちする。そしてリズムがズレ、あとは沈黙……。

 なおアリアより難しいキャラクターも存在している。(私には関係ないことだが……)基本ローグライク好きはマゾだし(偏見)やりすぎなくらいでちょうどいいのかもしれない。でもケイデンスだけでも正直難しい。ケイデンスの場合強アイテムでゴリ押せるが。とりあえず自分がマゾじゃないことがわかりました。(小並感)

またいつかリベンジしたい。多分、きっと、機会とやる気と元気と時間があったら。