2023/06/13 『灯争大戦』のチームシールド

最後の戦いを目撃せよ/Be there when it ends

前置き

 近年身内で空前のMTGブームが来ており、その波に乗じてチームシールドをやってみようということで企画したので記録に残す。遊んだのは懐かしの『灯争大戦』。

 そもそもチームシールドを選択したのは、人口が増えてきたのでチーム戦ができるようになったのでやってみたいというのと、布教の一環として初心者のT氏に人に相談できるような環境でリミテッドに触れてもらおうという目的があったため。そのため、極力メカニズムがシンプルで、なおかつMTGの楽しさに触れてもらえるセット+それなりに遊んでいるプレイヤーが遊んでも楽しい+思い出補正+天野リリアナ欲しいを理由として『灯争大戦』を選択した。プレインズウォーカーは初心者が使うには少し難しいかとは思ったが、カードパワーが高いPWを使用する楽しさと、MTGのストーリーに触れるといううえで、キャラクターから入りやすいという点を取った。何より2チームに分かれて戦うチームシールドと『灯争大戦』の2陣営が戦うという構造の相関がよい。なんか値段は高かった気がするけど10より多い数字数えられないから知らない。

 (基本セットと『機械兵団の進軍』も候補にあったが、前者は古いセットでカードを覚えるのには向いておらず、『機械兵団の進軍』は多くのメカニズムが登場するのと、割と他プレイヤーがリミテッドを遊んでいるので今回は見送った。)

 余談だが一応T氏にMTG自体とリミテッドという遊び方自体に触れてもらうために前週に『JumpStart 2022』のプレイ会も企画して導入とした。(結果としてはその前にMTGAの『機械兵団の進軍』リミテッドにかなり好感触を覚えていたし、カード評価も初心者とは思えない呑み込みの早さをしていて、色々杞憂だった気がするが……)

時間の配分について

 普段は身内の間でなあなあの時間感でリミテッドをやっていたが、今回は、チーム全員が並列で実施するため、時間制限を導入した。具体的には、色決めから三つのデッキを作るまでのデッキ構築の時間を90分、1マッチあたりの時間を店舗大会より余裕を持たせて1時間とした。

 結果としてはデッキ構築の時間は思ったより余裕があり、試合の時間はかなりちょうどよかった。おそらく事前に方針を話し合っていたのがよかったと思う。

デッキ構築の方針について

 チームシールドには当日どんなデッキを作るかでかなり迷うのではないかという懸念があった。3人で意思決定をするということは、環境への評価や、方針の認識合わせが絶対に必要になる。前日まで当日チームを決めるつもりだったが、普通に事前にチームを決めておくべきだったというのが反省点の一つ。(今回はたまたま前日全員なぜか暇よりだったので何とかなったが……)

 というわけで、前日にチーム決めを実施。最終の意思決定を行うリーダーも併せて決めた。内訳は以下の通り。(☆はリーダー)

チーム1

 ・M氏☆(筋金入りのリミテッドプレイヤー。意志力の化身)
 ・私
 ・I氏(T氏より一足先に沼に落ちた人。仕事中よく《儚い存在》してるらしい)

チーム2

 ・K氏☆(I氏と同じタイミングで始めた新進気鋭のパウパープレイヤー。下の環境やってないにしてはこの人も多分使ってる金額やばい)
 ・F氏(身内で一番長くMTGを遊んでいる人。強敵だけど想像力が豊かすぎて時々変なデッキ作る)
 ・T氏(本日の主役。)

 

 作戦会議の内容は以下の通り。

  • 青のコモン・アンコモンが強いので、青は二人に分け、それ以外の色は3人でそれぞれ使う。
  • 青黒はアーキタイプとして強いので、かならずやる。
  • 青の二人目は第一候補が青赤、第二候補が青白。
    (青緑はマルチアンコモンがまあまあ強いが、積極的にいく理由がないので、候補から外した)
  • 二人目が青赤の場合、三人目は白緑。
  • 二人目が青白の場合、三人目が赤緑。
  • M氏はマゾ弱いデッキが好きなので一番微妙なデッキになりそうな青赤or青白、I氏は青を握ると蕁麻疹が出るので白緑or赤緑、残る陰キャ用の青黒を陰キャの私が握る

 個々のカード評価の話も少ししたが大体は以上の通り。結構青のカードをどう分けるかみたいな話をしたのはかなり効いていたと思う。(《タミヨウの天啓》とか《呪文持ちの奇魔》とか)

パック開封~デッキ構築

 というわけでついに念願の『灯争大戦』の開封へ。シールドはなんだかんだ言ってこの瞬間が一番楽しい。2パック剥ける数が少ないので6パックでやることも少し検討したが(中途半端に余るし)、これ以上剥くとかなりパワーが強くなりすぎてしまう気もしたので結果としては良かった気がする。

 結果としては想定通りかそれ以上のプールになったため、プランAへ。白のコモンが弱めなのが懸念材料だった白緑に《ファートリの猛竜》2枚に《団結の誓約》とボムレアの《世界を揺るがす者、ニッサ》があるのでかなり勝てるデッキにはなったと思う。

 青黒も《煌めく監視者》を筆頭に動員と除去を引けたので、予定通りにパワーカードを独占。(2マナのテンポを支える《無神経な放逐》とクロックを守る《ラゾテプの板金》を引けなかったのは若干不安ではあったが……)

 白緑がかなりいけそうだったので結果として青赤は3番目のデッキとして選択されることに。《都市侵略》が罠という話を前日にしていたので見切ってアグロよりになったっぽい。黒の除去が強かったのと動員ちゃんと取れていたのでそれ以外の飛行と青の除去は青赤に融通。それで出来上がったデッキが大体以下。(最後に撮ったものなので細かいところは初期と変わっている)

青赤
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青黒

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白緑

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対戦

 試合形式は相手チームと総当たり。戦績は個人で3-0。チームとしては5-4でいずれも勝ち越し。

1試合目:対青赤 2-0

 1本目は開幕ヤヤ本人と挨拶が飛んできて私諸共更地にされた上に、ライフ1まで削られたが、相手の無駄ヅモが続いている間に除去と飛行ゾンビ軍団クロック押し付けて勝ち。

 2本目は《燃え立つ預言者》にかなり暴れられそうになったが相手が《煌めく監視者》が付与する呪禁に気を取られてるうちに《オブ・ニクシリスの残虐》でクロック通して勝ち。普通にとっとと《燃え立つ預言者》処理しておくべきだった。

 

2試合目:白緑T青 2-1

 1本目はトリマリから3マナ使って《悪への引き渡し》で0枚を手札に加えるという失態を犯すが、ルーティングから除去と動員連打して勝ち。《永遠の終焉》最強。

 2本目は《ヴィトゥ=ガジーの目覚め》から《黒き剣のギデオン》出されて無茶苦茶されて負け。《灯の収穫》引けないとギデオンは無理。無理すぎてサイドで《裏切りの対価》をイン。強いかどうかは知らん。

 3本目はマナフラ気味だったがルーティングからクロック勝負と除去で勝利。《タミヨウの天啓》がなければ4連続土地引いて負けてた……。

 どうでもいいがこの辺から勝ち報告の時の味方(主にM氏)の歓声の勢いを聞いて、ひょっとして自分はいろんな意味で重いデッキを握っているのではないか? という疑念を抱くが見て見ぬふりをする。

 

3試合目:黒赤 2-1

 1本目は除去が引けない間に《波乱の悪魔》と《灯の収穫者》にめちゃくちゃされて死。この辺から疲れで意識が朦朧とし始める。

 2本目は相手がキーカード引けないうちに除去合戦に勝利して飛行ゾンビクロック押し付けてなんとか勝ち。《永遠の終焉》最強(2回目)。この時すでに横は終わっていてなんか次負けたら合計で負けだったらしいが、見て見ぬふりをして3本目へ。

 3本目はなんとか《波乱の悪魔》が出る前に《灯の収穫者》は処理できたが、《無頼な扇動者、ティボルト》と《波乱の悪魔》と《心火》でかなり削られる。しかも《呪文持ちの奇魔》で《永遠の終焉》を回収してまくる算段が、攻撃した挙句に除去られるという大ポカをやらかす。正直内容としてはもうここで負けている。さらに《ボーラスの城塞》が着地し、10点バーン死を目の前に突き付けられてやけくそに殴りたくなるが、致命的なミスで却って頭が冷え、とにかく耐えて相手の自滅待ち方針にする。そのままとにかく耐えていたらいつの間にか相手が全体除去を打った上にライフが2点になっていたので、相手が土地引いている間に《ラゾテプの肉裂き》→《永遠衆の天空王》を2連トップして飛行クロック通して勝ち。一応《はぐれ影魔道士、ダブリエル》トップでも常在能力で2点通して勝ちだった。あと1T遅かったら負けてたらしい。さすがに手が震えた。

 

 とまあ3-0はしているが内容としてはプレイがかなりひどく、おそらく私以外の誰が青黒を握っていても3-0はしただろう、というオチ。まあでも勝ったからいいや。

 

反省会

 とはいえ、某氏の「基本フルアタック」という格言を胸に、序盤からクロックを押し付ける意識を持てたのはかなり良かったと思う。これは失念していたが、体感『灯争大戦』の環境はサイズが小さいクリーチャーが多く、パワー2~3のクリーチャーを強化して殴る感じだったので、接死ゾンビで積極的に殴っていけたのが間接的に勝利につながっていたと思う。ライフが1でもあれば死んでいないが、ライフが1に近いほどワンチャン拾えるということがよく分かった。

 《蠍の侍臣》の接死がかなり機能していた反面、1点火力がきつすぎた。《ラゾテプの板金》があったらなんとかなっていたのか?

 あと明確なやらかしとしては《燃え立つ預言者》なめすぎていた。大体リミテッドのインスタントやソーサリーシナジーはうまくいかないのでせいぜい発動されても1回や2回だろと思っていたら、3回くらい除去飛んできて顔面が半分消し飛んだ。占術もついてるのがかなりやばそう(小並感)。これはMOMでの《格納庫のたかり屋》で学んだことだが、継続的にデッキを掘れるカード、アド自体は稼いでいなくても案外強く感じる。今回は某氏の勧めで投入した《突飛な幻想家》がいぶし銀な活躍をしていた。最後の1戦でトップ解決できたのもこのカードでデッキトップを墓地に送ったおかげです。(一応あの状況を解決できるカードと残りデッキ枚数的に送り得ではあったが、運ゲーではある)

 ギデオンは無理なので特に反省することないな……。

 あとこれは青黒というデッキの特徴によるところだが、1試合の時間が長く、時間的にかなりぎりぎりでほとんど他卓の様子を見ることができず、チームメイトのプレイに対しては何も還元できていないといっても過言ではない。チーム戦なのに色といい、色選択といい、実際のプレイとしてもかなり独善的なプレイをしてしまったのは反省。

 

チラシの裏

 今回は運よく全員が0-3を回避したし、結果としてかなりよいプレイ体験となったようでよかった。T氏の感触もよかったので企画としてはかなり成功した部類だと思う。最初はR数取得で勝負を決めるつもりだったが、個人成績の合計勝負だと今回みたいなときに最後までスリルがあってよいなと思った。結果として最後勝敗を握る立場に立ったうえにプレミをやらかしたが、全然負けてもてへぺろで済ませるつもりではあった。こんな感じで済ませられない人だと、チームシールドで不愉快な経験をしてしまうかもなとは思った。MTGへたくそすぎるのでこういうのやるとかなり練習しなきゃなという気持ちになる。

 実際、チームシールドはかなりパワーとスリルがあって、通常のシールドより楽しく感じた。《オブ・ニクシリスの残虐》2枚に《灯の収穫》2枚は他のリミテッドだとなかなか取れない。開始前とか構築時にチームで作るデッキについてあーだこーだいうのも楽しい。微妙なパワーバランスもあってプレイヤーが大人である必要があるとは思ったが、今回はかなりうまくはまっていたと思う。たまたま今回私が3-0する席に座っていたが、チームメイトがそれぞれ取っている1勝がなければ普通に負けているので、1勝の価値がめちゃくちゃ重いのも新鮮でいい。とりあえずチームメイトと私にワンチャンくれた《ボーラスの城塞》に感謝。

 正直、値段的に『灯争大戦』にするかはかなり迷ったが、かなり実際に剥いてみて最後までかなり楽しめたので良かった。PWの実用性レベルがちょうどよく単純に使っていて幸福感があったし、当時を知らないT氏とI氏にあの頃を代表するぶっ壊れPWを使ってもらえたのがよかった。正直剥きたいけど我慢して残りのパックは多分買い足してドラフトする。天野リリアナ当てて寿司食いてえ。

 会議室はかなり内装よかったけど新大久保はやっぱ人多くて疲れる。サムギョプサルはかたい肉食べたいという欲求が満たせてかなりおいしかったが、食べ過ぎて帰りにおなかを壊しました。当分節制します。

 来月予定入りすぎててもう何が何だかわからない。口頭でしかやり取りしていないので誰か文字に起こしてほしい。

 変容はそろそろギブかも。深夜のノリでデッキを作っては続唱ランプに破壊されている……。MTG部、今後ともよろしくお願いします。