System Era Softworks『ASTRONEER』

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概要

 宇宙探検系サンドボックス&クラフトゲーム。動物が存在しない亜太陽系みたいな惑星群(一部衛星かも)をてくてく散歩しつつ、エレメンタルな素材集めに勤しむゲーム。結構やったことないタイプのゲームではあった。地形は自由に削ったり盛ったりできるが、本当に削ったり盛ったりできるだけなので、建築とかハウジングという感じではない。その分クラフト系はかなり充実している。

 宇宙ということで、ゲームの根幹に酸素と電力のリソース管理がある。資源を集め、酸素と電力リソースを拡大、探索範囲を広げ、まだ見ぬ素材を求めて別の惑星へ……というのがゲームの攻略ライン。

 開始時に展開されるシェルターから酸素と少量の電力は供給されるが、範囲制限が存在している。この効果範囲外に出ると、段々持ち運べる酸素量が減っていき、窒息する。なのでこの供給ラインを拡張できるテザーを配置しながら惑星を探索していくことになる。テザーは明かりにもなるし、この手のゲームでありがちな探索しているうちにどこから来たかわからなくなったということが少なくなるので、結構面白い。感覚としてはほぼマイクラの松明。ただ実際にはゲームの特徴としてクラフト可能な移動手段は酸素を供給する(超技術)という性質を共通して持っており、後半はそれほど酸素は問題ではなくなる。

 つまりゲームとしてはいかに電力を確保するか、こちらに焦点が置かれている。電力は各種施設の安定稼働に必要なほか、ゲームの目的である各惑星の謎の建造物を起動するために必要となる。風力、太陽光、火力のうち、どの惑星においてどの発電方法を選ぶか、また、そのための資源をどのように持ち運ぶかがゲームの根幹といえる。ちなみにおそらく効率を求めると大型ローバーに火力を積んでごり押しすることになる。また、最終的には核熱発電的な無から電力を生み出す装置も作れるようになるが、こちらはややオーバースペック。長く遊ぶならおそらく必須。

 移動手段もかなり特徴的で、陸地移動用のバギーやローバーだけでなく、惑星間移動用のシャトルや、個人移動用のホバーボードなど、結構力を入れて作られている。特に惑星間移動はゲームの醍醐味で、特定の惑星でしか手に入らない資源を求めて、プレイヤーは割と早い段階からほかの惑星に行くことになる。新天地に何を持っていくか、そこでどのように拡張していくかなど、クラフト系最初の一番面白い時間を複数回味わえるというのはこのゲームの大きな魅力。惑星ごとに違った景色を見れるのもよい。

 最後にこのゲームに敵対的NPCは存在しない代わりに、危険植物が存在しており、大体踏むと死ぬ。のどかで自然的な光景を静かに探索できるが、スリルがないというわけではない。そんな感じ。

 総評して、クラフトの面白さというよりは探索の面白さに重きを置いた作品で、激しい興奮とかは存在しないが、謎に面白くて長時間やってしまう系のゲーム。謎の建造物やアーティファクトなど、正体が気になるところもあり、割とお気に入りのゲームだった。

チラシの裏

 大型ローバーにドリルと舗装機とつけたのが最強。これがないとまともに乗り物で探索できない。収納容量的には大型サイロがぶっ壊れていて、これだけ積載量の増加具合がおかしい。これと中型サイロだけあれば運搬には基本困らなくなる。ただローバーに設置するとカメラが塞がりめちゃくちゃに酔う。個人の移動はホバーボードが高速でとても快適だが、落下ダメがあるので自分はジェットと併用した。VTOLは地形無視とはいえ開放が大変な割に移動が遅すぎる。あまり乗り物を併用する必要は感じなかった。

 中型(2スロット)以上の設備はプラットフォームを別途作成して設置しないと使用不可というルールがあり、これが結構面白い。プラットフォームの形によって設備がどのような配置になるかが決まったり、同一プラットフォーム間は勝手に資源が移動してくれるので、使いやすいように工夫する面白さがある。逆にこれがある分自動化の必要性は薄かったかも。

 必要最低限の資源はいずれの惑星でも手に入ったり、削った土砂から資源を生成する最強設備があったりなど、詰み防止はかなり気が配られていて、割とカジュアルに遊べるし、効率も目指せるのは好印象。拡張ラインみたいなのをゲームとしてかなり丁寧に設計されている印象があった。ただ最初から全惑星いけるのと、コアに必要な資源だけ別でその他の攻略方法がほぼ同じなので、自分は後半を消化試合にしてしまった。

 カメラはかなり終わっている。揺れが激しい系というよりは、コンシューマゲームっぽい視点移動のしにくさだった。時々カーソルがいうことを聞かなくなり視界が壁で埋め尽くされ、自分はげろを吐き、世界が終わる。コントローラ前提のゲームにはありがちだが、キーバインドもかなり独特。特にコンパスとミッションとスキルツリーが同じキーかつ消すのがめんどくさくて操作性が終わっていた。

 一回マルチで遊んだ後なんだかんだで42時間ソロで遊んでエンディング。全ミッションクリアまではやろうかと思っていたがミッションアイテムを失くして萎えた。このゲーム、植物の種以外はアイテムが消えないので補填がなく、逆に落とした時一生砂漠のどこかに針が落ちているのを探す羽目になる。目印がなさすぎる。雰囲気あって結構没入感があったので良かったと思いました。こういうゲーム好き。多分自分は仕事するのが好きなんだと思う。

 どうでもいいけど久しぶりに自分が書いた文を読み返すと結構精神的にくるものがある。ほぼ自傷行為。やってるときはアドレナリンが出ているからいいが、あとで後悔する。菌が入ったらより悲惨だ。そもそもゲームをクリアするという行為自体がだいぶ久しぶりなのがかなり終わっている。文化的に最低限度。